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■梨の品種と詳細
梨の種類 特徴

長寿

樹勢は中程度で、枝の発生は中程度かやや少ない。短果枝の着生も中程度であるが、花芽はよくつく。 全体として花芽が不足することはなく、安定した結実性を示す。黒斑病、黒星病に対しても長十郎より 強い。赤梨で果実の大きさは260〜300gである。肉質は君塚早生より良く、完熟した場合には糖度も極 早生としては十分である。問題点は、日持ちが悪いことと過熟果では果肉にみつ症状が認められることである。完熟果の日持ちは5〜7日である。

愛甘水

この品種は、「長寿」と「多摩」の交雑実生であり、果形が扁円で甘味が多く、育成地(愛知県安城市) において7月下旬から8月上旬に成熟する赤梨である。樹姿は中間、樹の大きさは中、樹勢はやや弱、枝 梢の太さ及び節間長は中、短果枝の着生はやや多、花芽の着生は中である。成葉の形は卵、葉の大きさ は小、どん葉の色は赤複、花の大きさは中、花弁の形は円である。果実の形は扁円、広さは広、有てい 果の有無は混在(多少ある)、果実の大きさは中(300〜350g)、果皮の色は黄赤褐、果点の大きさは中 、密度はやや密である。果梗の長さ及び太さは中、肉梗の有無は無、果心の形は円心臓、大きさは中、 心室の数は中である。果肉の色は黄白、硬さ及び粗密は中、甘味は多、酸味は少、香気は微、果汁の多少は中である。成熟期はかなり早で育成地において7月下旬から8月上旬であり、「幸水」より10日程度 早い。心腐れは少、みつ症は少(わずかに出る)、裂果は無、果実の貯蔵性はやや短である。「長寿」 と比較して、甘味が多いこと、成熟期が遅いこと等で、「多摩」と比較して、葉の大きさが小さいこと 、果樹の形が扁円であること等で、「幸水」と比較して、葉の大きさが小さいこと、成熟期が早いこと 等で区別性が認められる。

幸水

名前は父母品種の1字ずつを取ってつけた。2001年現在梨栽培面積の37%を占める。果実品質、特に肉質 は日本梨の中で極上であり、新品種育成を行う上での大きな目標であるとともに、交配親として現在も 利用されている。果実重は300g前後、糖度は12%前後、肉質は二十世紀よりやわらかく多汁。日持ちは 約7日間である。収穫期は関東で8月中下旬であるが、近年施設栽培が定着しており7月でも店頭に並ん でいる。果皮の色は豊水のような赤梨に比べてコルク層の発達が不十分な中間色タイプであり、特に施 設で栽培すると湿度等の条件により果面がまだら状になりやすい。樹勢はやや強く、枝の発生密度は中 程度で、短果枝の着生は少なく、花芽の維持も難しい。二十世紀に比べて頂部優勢性が弱く、主枝、亜主枝を棚面につけると急激に先端が弱り、基部から強い発育枝が発生し、樹幹拡大が抑えられる。黒斑 病抵抗性があり、黒星に対しても長十郎よりは強い。

二十世紀梨

樹勢は強い方に属し、土壌条件の良好な場所では伸長力が強い。枝の発生が多く、短果枝の着生ははなはだ良好である。短果枝の維持が容易で、主枝・亜主枝の古い部分にも短果枝を維持することができる。 果形は極めて整い、玉揃いがよく、袋かけにより果面が美しくなる。果肉はやわらかく緻密で多汁である。黒斑病防除のためパラフィン二重袋を着せる。早期収穫のため糖度が11%以上になることが少ない。 (大阿太高原では12%以上となる)日持ちは良好であるとともに、成熟速度もゆっくりで早くから可食と なる特徴を持っている。

豊水

現在、ニホンナシの栽培面積の23%を占める主要品種の一つである。「幸水」同様果実品質、特に肉質に優れ育種の場面でも頻繁に交雑親として利用される。果実重は400g程度、糖度は12〜13%、やや酸味を感じるが、食味濃厚で品質極上である。肉質は幸水と同じ程度で、二十世紀よりやわらかい。年次や地域によりみつ症状が発生する場合がある。日持ちは10日以上ある。収穫期は短く約20日間である。発表当時交雑親とされていた品種がいずれも青梨であり、このような組合せでは「豊水」のような果皮色の子供は生じないこと等の理由から交配組合せは不明と訂正された。2003年に、果皮色、自家不和合性遺伝子型DNA解析等の調査が行われたことにより、「豊水」は「幸水」×「イー33」の交配により育成された可能性が非常に高いことが明らかとなった。3〜4年生の若木時代には伸張力旺盛で枝の発生が多い。短果枝の着生はやや多いが、結実し始めると主枝、亜主枝の先端の伸びが弱まり、基部から多く枝が発生するようになる。黒斑病抵抗性があり、黒星に対して長十郎より強い。胴枯病に対しては幸水よりは強いが二十世紀よりは弱い。果実の大きさに比べて果枝が細く折れやすく、摘果時に水平より下向きの果実を残すようにする。

新星

品種名は両親から一字ずつをとった。果形に特徴があり、リンゴのデリシャス型に似て、へた付きの果実も多い。開花期が「新高」とほぼ同時期で早いため、晩霜の常襲地帯での栽培には適さない。果実重は300〜500g程度、糖度が12〜13%で「豊水」程度、酸味は「豊水」より少ない。果肉は黄白色で肉質はやわらかく緻密である。命名当時「成熟期は関東地方で9月下旬〜10月上旬であり、「豊水」と「新高」の間に収穫される」とされていたが、その後時を経るに従い収穫期が前進する傾向をみせており「豊水」と同様の時期である年もある。若木のうちは伸長力旺盛であるが、成木になるにつれて樹勢はやや強〜中になる傾向がある。枝の発生密度は中程度で短果枝の着生はやや多い。

晩三吉

樹勢はきわめて強く、枝は数が少なく直立性で太い。短果枝の着生、維持は結果過多にしない限り容易 である。果形はほぼ倒卵形の赤梨で、500g以上の大果となる。肉質は完熟させると軟らかく多汁である が、甘みが不足する。10月下旬〜11月上旬に成熟する晩生種の代表種で、貯蔵性に富、貯蔵中にむしろ 品質が向上する。うまく貯蔵すれば4月ごろまで可能である。
 
   
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